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クロストリジウム菌その1 

「クロストリジウム菌」は、軽い下痢から生命を脅かす大腸の炎症に至るまでの症状を引き起こす細菌です。重症の場合は、腸閉塞、消化管穿孔および敗血症を起こしたりして、死亡に至ることもあります。

平均的なヒトの消化管には、おおよそ1000種の微生物が生息しています。ふつうの状態では、微生物のほとんどは無害か、 あるいは役立つ存在です。しかし、何かによって腸内のこれらの生物のバランスが崩された時に、無害であったはずの細菌が抑制できないほど成長し、あなたを病気にすることができます。

最悪のものの一つはクロストリジウム·ディフィシルと呼ばれる細菌です。細菌が異常に増殖して、クロストリジウム・ディフィシル 大腸炎 と呼ばれる疾患を引き起こし、腸の粘膜を攻撃するA毒素やB毒素等を分泌します。他の腸内細菌に比べて比較的まれなものの、クロストリジウム菌は米国では、感染性下痢を引き起こす主な細菌の一つです。

クロストリジウム·ディフィシル感染症の症状

クロストリジウム·ディフィシル感染症は、軽度のものから生命を脅かすものまであります。軽症の症状は、数日の間、日に3回以上の腹痛または圧痛を伴う水様性または泥状下痢で留まります。より深刻なクロストリジウム·ディフィシル感染症の症状は、最大日に15回以上の水様または泥状の下痢便がある、激しい腹痛、食欲不振、吐き気、発熱、脱水、便に血液や膿が混ざる、極端な体重減少等です。いくつかのケースでは、クロストリジウム菌の感染が原因で、腸内に穴が開き、緊急に治療しなければ致命的になることもあります。重症の場合は、腸閉塞、消化管穿孔および敗血症を起こしたりして、死亡に至ることもあります。

クロストリジウム·ディフィシル感染症の毒素は検査糞便検体によって診断することができます。いくつかのケースでは、大腸内視鏡検査が診断のために必要となります。

クロストリジウム・ディフィシル感染症を誘発する危険因子

クロストリジウム菌は、時々健康な人々にも問題を引き起こしますが、病院や老人施設における患者さんたちやお年寄りたちに影響を与える可能性が最も高いです。他の腸内細菌を殺す抗生物質の長期治療を受けている場合が、最もクロストリジウム・ディフィシル感染症を誘発します。抗生物質の使用は、潜在的にクロストリジウム菌の異常繁殖をもたらし得るからです。最も一般的に使われている、多種多様な細菌を死滅させることができる抗生物質の使用によります。さらに、他の感染症と戦うために、より頻繁に複数の抗生物質、もしくは抗生物質が長期間に渡って使われた時に、クロストリジウム・ディフィシル感染症は引き起こされます。

その他のクロストリジウム・ディフィシル感染症を誘発する危険因子は、胃腸の手術、炎症性腸疾患または結腸・直腸がんのような結腸の疾患、免疫機能低下、化学療法薬や抗がん剤の使用、クロストリジウム・ディフィシル感染症の病歴を持つ者、65歳以上の高齢者、腎臓病、胃酸を減少させるH2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)やプロトンポンプ阻害剤の使用者、等です。

しかし、医療・老人施設へ出入りしたり、抗生物質の使用履歴がない、高リスクと考えられていない若くて健康な人々の間で、クロストリジウム·ディフィシル感染症の発生率が増加していることが、研究で示されています。毎年、米国では50万人以上がクロストリジウム菌から病気になり、近年では、クロストリジウム·ディフィシル感染症は頻繁に発生し、より治療が困難となってきています。

クロストリジウム菌その2に続く

「クロストリジウム菌」の研究の参考文献:

クロストリジウムによる下痢の予防のためのプロバイオティクス

プロバイオティクスとクロストリジウム菌感染性下痢